筋トレの大原則!漸進的過負荷の原則とは
「漸進的過負荷(ぜんしんてきかふか)の原則」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
筋トレをする人なら絶対に知っておいてほしい言葉ですが、実はこの単語自体を知らなくても、内容については経験的に知っている人が多いもの。
今回は、筋トレの大原則である「漸進的過負荷の原則」についてご紹介します!
筋肉に刺激を与え続けろ
生体の機能の多くは、普段与えられている刺激の強さに応じて変化していきます。
刺激が適度に強ければ機能は高まり、低ければ低下しますが、逆に刺激があまりにも強すぎると萎縮してしまうこともあります。
筋肉は特にその傾向が強く、日常的に経験する刺激に比べて、より強い運動刺激を与えると、その刺激に適応するように機能が高まるのです。
これがつまり筋トレなのですが、このときに与える強い刺激を「過負荷(Overlord)」と言います。
トレーニングを始めたばかりの頃は、筋肉の適応能力(トレーナビリティ)が高く、適切な量の負荷が与えられれば、筋肉の機能は比較的容易に増大していきます。
要するに、始めたばかりのときの方が”伸び代”が大きいということです。
しかし、同じ強度でトレーニングを続けていくと、筋力が増大して、最初は適切であった負荷が次第に物足りなくなってきます。
そこで、筋力レベルの増加に合わせて、トレーニング強度も段階的に高めていくことが必要です。
このように、強度も段階的に高めていくことを「漸進的過負荷」と言います。
漸進とは「ようやくすすむ」と書きます。
筋トレには「ちょっとずつ負荷を高めていく」ことが絶対に必要なのです。
トレーニングの目的に応じた負荷の設定を
漸進的過負荷を想定してトレーニングを行うには、そのトレーニングの目的に応じた負荷の基準をしっかりと設定して行う必要があります。
トレーニングの目的とは、例えば筋力アップなのか?筋肥大なのか?筋持久力アップなのか?
これらの目的に応じて、
@負荷強度・・・どの程度の重さでトレーニングするか?
Aレップ数・・・1セットで何回行うか?
Bインターバル・・・セット間でどれだけ休憩をとるか?
Cトレーニング容量・・・何セット行うのか?
Dトレーニング頻度・・・どの程度の頻度で行うのか?
これらの基準を設定していきましょう。
目的に応じたトレーニング基準の目安
筋力アップ、筋肥大、筋持久力アップの目的に応じたトレーニング基準の一例をご紹介します。
これを目安に、自分のトレーニングメニューを立ててみましょう。
筋力アップ
無駄な筋肥大を抑えて、筋力アップのみを図る場合
負荷強度 | 非常に高強度。最大筋力に近い負荷 |
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レップ数 | 3〜6レップ |
インターバル | 長く(3分〜5分) |
セット数 | 多い(5〜10セット) |
頻度 | 大筋群は週1〜2日、小筋群週2〜3日 |
大腿四頭筋、大殿筋、大胸筋、広背筋などの大筋群は、力が強いため疲労しにくいので、セット数を多めにして、しっかり鍛える必要があります。
その一方で、筋肉が大きいために、一度疲労したら回復に時間がかかるというのも大筋群の特徴。
週に1〜2回の頻度にして、十分な回復時間をとりましょう。
筋肥大
筋肥大を主目的に、筋力アップも図る場合
負荷強度 | 中強度。最大筋力よりやや軽い負荷 |
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レップ数 | 8〜12レップ |
インターバル | 短く(1分程度) |
セット数 | 多い(3〜5セット) |
頻度 | 大筋群は週1〜2日、小筋群週2〜3日 |
筋肥大のためには、筋肉に強い刺激を”与え続ける”ことが重要で、ある程度の回数をこなす必要があります。
インターバルも、前のセットの疲労が回復しきる前に次のセットに入ることが大事で、一息ついたら筋肉が冷める前に次のセットに移行しましょう。
筋持久力アップ
筋力増加や筋肥大よりも、筋持久力アップを図る場合
負荷強度 | 低強度 |
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レップ数 | 15〜50レップ |
インターバル | 短い(または競技に合わせる) |
セット数 | 少なく(2〜3セット) |
頻度 | 大筋群は週2〜3日、小筋群週3〜4日 |
筋持久力アップのトレーニングは有酸素運動となるため、心肺機能をフル活用することが重要です。
インターバルは、前のセットの疲労が回復しきらない内に次のセットに入ることが重要。
ボクシングなど競技ごとのインターバル時間が決まっている場合は、それに合わせるのも有効です。
高負荷のトレーニングに比べて負担が少ないので、多めの頻度で行いましょう。
重量を上げるタイミング
漸進的過負荷に基づき、筋力アップに合わせて負荷を上げていく事が重要です。
負荷の上げ方は、「3セット目で+2レップ出来るようになったら」というのが目安です。
その日のトレーニングで「10レップ×3セット」が成功できたら、その次にトレーニングする時は3セット目で12レップに挑戦しましょう。
10・10・12が成功できたら、その次のトレーニングではプレートを増量します。
一般的なバーベルは1.25kg×2枚で、2.5kgづつ増量できるので、こうして少しづつ負荷を上げていくのをひたすら繰り返します。